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開催報告 エネルギー政策転換に向けた議員セミナー第1回(FOE Japan)

2011年4月19日、衆議院第2議員会館にて「第1回 エネルギー政策転換に向けた議員セミナー」を開催いたしました(>開催案内)。この連続セミナーは、3.11原発震災を機に、脱原発・エネルギー政策転換を実現していくための開かれた議論を巻き起こしていくことを目的に、FoE JapanなどのNGOが主催するものです。 

まず、立命館大学教授の大島堅一さんからは、政府や電力会社による電源別のコスト試算に対し、そこに含まれない様々なコストを含めると、原子力発電が非常に高コストな電源であることが指摘されました。

事故に伴う被害と被害補償費用を計算しなかったとしても、原子力発電に併せて作られる高コストの揚水発電費用、バックエンド費用(使用済み核燃料再処理費用、放射性廃棄物処分費用、廃炉費用)などの実際の費用を計算してみると、原子力発電は、政府が言うような安い電源とは言えません。さらに、今回の事故の補償費用は、数兆円規模と言われるだけでなく、環境被害、健康被害、社会的被害などを含めると計り知れません。

今後早急に、国家財政のあり方の改革と電力料金を通じた費用負担のあり方の改革、そしてエネルギー政策の転換が必要であることが強調されました。
大島堅一氏講演資料[PDF]

環境エネルギー政策研究所の飯田哲也さんは、「3.11後のエネルギー戦略」と題し発表を行いました。福島第一原発事故を受け、原子力発電の現時点での安全基準と損害賠償が無効であることを前提に、新増設の凍結、核燃料サイクルの凍結と既設炉の総点検が必然であると指摘。また、すでに世界各地で分散型自然エネルギーが大幅に成長し、新規設備容量は原発を超えたこと、原子力と太陽光発電の新設コストが去年逆転したこと、自然エネルギーの市場が急拡大していることが報告されました。

日本の政治的意思の欠乏が、日本の自然エネルギー市場の成長を大きく阻害しており、地域分散型の自然エネルギー利用への抜本的な改革が急務であることが訴えられました。
飯田哲也氏講演資料[PDF]

原子力資料情報室の西尾漠さんからは、原発はエネルギー消費を拡大しながらでなくては使えないエネルギー源であることが示されました。

原子力では電気しか作れず、原発の増加はエネルギーの利用形態を電気中心に変えていくことで初めて成り立ちます。発電ロスを併せるとエネルギー消費は大幅に拡大してしまいます。この構造を逆転し、自然エネルギー利用と省エネルギーを互いに加速して、エネルギーをあまり使わない社会を作っていく可能性が提示されました。
西尾漠氏講演資料[PDF]

参加した議員からは、下記のような発言がよせられました。

「今こそ政治がリーダーシップを発揮するときである、横のつながりを作って真実を伝えていく」
「今までの原発依存の政策を作っていった既存の大きな構造を変えなくてはならない」

参加者からの「エネルギーシフトの実現に向けて何が足りないのか」との質問に飯田さんが「一人ひとりの日常の小さな勇気が必要」と回答されたように、私たちも今、政治を動かしていくときです。

動画はこちら
パート1
http://www.ustream.tv/recorded/14132452

パート2
http://www.ustream.tv/recorded/14132859

Filed under: 10.電力・エネルギー